2015年 大学院工学系修士課程修了
ソフトウェアエンジニアとして、株式を原資産とするデリバティブ商品の、時価・リスク値を計算する評価システムの開発を担っています。一口に開発といっても、設計やコーディングなどの実装業務だけでなく、ユーザへの要件ヒアリング、案件・人員管理、テスト、コードレビュー、開発報告など業務は多岐にわたります。また、私たちが開発したアプリケーションを利用するデリバティブトレーダーへの、サポート業務も必要不可欠。ユーザーの要望を把握する上流工程から、実装やサポートなどの下流工程まで、一気通貫で取り組んでいます。金融業界におけるマーケットは日々変化するため、私たちが開発したものの市場へのインパクトは数十億円に登ることもあります。そのため、ユーザーの要望や急速なマーケット変化に迅速に対応できる瞬発力と大きな責任感を持ち、ミッションクリティカルな業務に挑戦しています。
学生時代から、プロジェクトマネージャーと開発者の業務を両立して活躍したいという目標を持っていました。その目標に初めて挑んだ案件が、数理モデルの高度化に伴うアプリケーション開発です。開発のきっかけは、これまで用いていた数理モデルが現在の市場に適応できなったことによる、アプリケーションが導き出した答えとトレーダーの思考の齟齬解消です。収益機会の損失を防ぐためには、市場に適応する新たな数理モデルを用いたアプリケーションが強く求められていました。案件のプロジェクトマネージャーとして苦労したのは、多岐にわたる関係者へのヒアリングを行い、それぞれの意見を尊重しつつも、全体を俯瞰して案件を進めていくこと。開発者としては、旧モデルと比べて計算時間が3倍もかかってしまうことが判明した際に、システムのボトルネックを探し何度も検証を繰り返して、効率を上げていったことが印象に残っています。責任のある仕事において、新たな挑戦ができた経験は、私の大きな財産になりました。
私たちがアプリケーションを提供するのは、同じMUMSSで働く社員たちです。そのため、ユーザーの喜びの声やフィードバックを、「即座に」「直接」聞くことができ、その反応が次の業務への原動力になっています。今の仕事においても、やりがいや学びは多いですが、今後は現在の領域に捉われず、広い視野を持ちさまざまな業務に取り組んでいきたいと考えています。ほかのアセットを扱うチームに入る。海外の最先端の環境で経験を積む。機械学習を用いたトレーディング戦略を練るなど、知識と経験をとにかく積み重ね、チャンスが来た時に十分なパフォーマンスを発揮する準備をしたいと考えています。実際に先輩の中には、海外拠点で成果を残している方や、エンジニアからトレーダーに転向した方も存在します。自分の可能性を絞らずに、あらゆる方面に興味を持ち成長していきたいです。
