MUMSS ESG Stories

ESG推進に欠かせない信頼される「人づくり」
~ESG資格を取得した3人の社員に聞く~

2023年10月31日

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ESG関連ビジネスにおいてお客さまから信頼されるためには何もよりも「人」が大事だと、当社は考えています。ESGに関して専門知識を有し、 社会のサステナビリティ向上に主体的に取り組める「人」がいてこそ、ESG関連ビジネスに強い当社の強みが生かせるのです。 当社はESG関連資格の取得を社員に奨励し、人づくりにも力を入れています。今回は、ESG資格を取得した3人の社員の声を聞きました。

SDGsやESGに対する理解なしに業務を推進することは難しい
会社の資格取得支援は、ESGを一から学ぶ絶好の機会になった

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本店法人部 鈴木 美季


現在、私は、本店法人部で法人のお客さまに対して資金運用に関する営業を行っており、 主に財団法人、学校法人のお客さまを担当しています。ESG関連資格は、2023年6月に取得しました。
資格を取得しようと決意した第一の理由は、お客さまのESG債に対する関心が非常に高まっており、 自分自身の基礎的な知識を高め、お客さまとの会話の引き出しを増やしたかったからです。

近年、お客さまからのESG債に関するお問い合わせが顕著に増えています。その背景をお客さまに伺うと、 「ESG意識の高まりに伴い、法人の内部 、さらには外部からも、投資意義を より考えるべきだという意見が増加している」という事情がありました 。財団法人も学校法人も資金 使途については厳格な管理をしており、収益性以外の要素を投資先に求めるお客さまも多くなっています。

その点、ESG債は、債券の発行主体が調達した資金をどういった事業に使うのかを明示しているため透明性があります。さらに、SDGs達成に貢献していく法人の姿勢を対外的にアピールできるということで、好ましい投資先のひとつとして 選ばれており、それと同時に、「投資表明」を行うお客さまが増えていることも最近の大きな特徴です。

お客さまからのお問い合わせは多岐にわたります。そのお問い合わせに真摯に対応し、それぞれのお客さまに適したソリューションをご提案していかなければなりません。そのためにはESGに関する体系だった知識と理解が必要で、資格取得を目標に勉強を始めました。資格を取得したからといって急に営業成績が伸びるわけではありませんが、以前よりも、より自信を持ってお客さまに接することができるようになったと感じています。

資格を取ろうと思ったもう一つの理由は、「これからはSDGs、ESGに対する理解なしに業務を推進していくことは難しい。基礎的な知識を身に付ける必要がある」と感じていたことです。会社が資格取得を支援すると聞き、「ESGを一から勉強する絶好の機会だ」と思いました。

いざ勉強を始めると、投資に関連する知識や、世界の現状や持続可能な開発目標の途中経過に関する知識など、さまざまな数値が出てくるのですが、それらの数値が私の認識とはだいぶ違っていることに気づきました。いかに長い間、情報、知識の更新を怠っていたかを思い知らされる出来事でした。
また、最新のデータに基づきトータルに学んだことで、ニュースに対する感度が高くなる効果もあるように思います。何かニュースが入ってきたとき、その動きの背景にどういったことがあり、その動きがどのような影響を及ぼすのかを考えるようになりました。

社会の持続可能性を高めていくことは社会全体で取り組むべきことですが、そのためには、一人ひとりが自覚的、主体的に行動していくしかありません。これからの私の目標は、先輩も後輩も巻き込んで、ESGの取り組みを「自分ごと」から「私たちごと」に広げていくことです。

職場環境作りについて能動的に考え、行動するようになった
ESGを学ぶことは自分の視野を広げてくれる

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金融市場トレーディング部 青木 康人


コロナ禍で在宅時間が長くなり、その時間を有効活用しようと久しぶりに机に向かって勉強を始めました。最初は、趣味で「世界遺産検定」の資格を取得し、それをきっかけに、改めて勉強することの楽しさに目覚めました。

去年はスキルアップのためディープラーニングの基礎知識を学ぶ「G検定」と「統計検定」の資格を取り、今年は、会社が推奨するESG関連の資格の取得に挑戦しました。

私は14年くらいずっと金融市場トレーディング部に在籍し、その中で「レポ取引」と呼ばれる国債の貸借を行い、当社全体の国債のポジションの資金調達や債券調達に関する業務を担当しています。それと、国債に精通した人材を育てていくことも求められていて、若手社員の指導に当たっています。ただ私の業務がESGに直接関わってくるケースは少ない
ですが、今回ESGについて改めて勉強したことは、今後の業務に役立つと思います。

一番大きいのは、特に職場の環境作りに関して、主体的、能動的に考えて行動するようになったことです。ESGを学んだことで、一つひとつバラバラにあったテーマが自分の中で結び付き、「これをやってはいけない」という姿勢から「一人ひとりが能力を発揮するために」という発想に変わっていきました。

ESGは、明確に定義付けることができない漠然とした部分もあります。ゴールのない課題であり、時には絶対的な正解がない課題に直面することもあります。そうした難しさの中で、プロフェッショナルとして「一人ひとりが能力を発揮できる職場作り」のために、先頭に立って動いていかなければならないと考えています。

環境や社会貢献活動に対する意識も変わりました。これまで、例えば環境の問題についてさまざまに「知る」機会はありましたが、何か行動に移すということはありませんでした。しかし、これからは、例えば社内で案内されている環境ボランティアの活動に参加してみようと考えるようになりました。

今、当社は、ESGに対する貢献をさらに強化しています。会社単位で見たとき、当社はこれからも金融業務を通じてESGへの貢献の実績を積み上げ、社会の期待に応えていくでしょう。一方で、個人単位で見たとき、ESGへの貢献が足りているのかといえば、私も含めまだまだ不十分なのではないかと思います。これから必要なことは、一人ひとりがESGに関係する取り組みを増加させていくことです。

ESG資格の取得は、実践を増やすことの大きなきっかけになります。ESGを学ぶことは、幅広い知識を身に付け、視野を広げてくれます。いま、職場の仲間にもESG資格の取得を勧めていますし、社内にESGを実践する人材がもっと増えればいいと思いますね。

世の中の動きに直結し、ファイナンスを通じて新たな価値を提供する
ESGの推進はお客さまからの要請、時代の要請に応えるということ

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投資銀行本部 ESGファイナンス&新商品室 辻 光朗


私は、大学でファイナンスコースに在籍し、ゼミではファイナンスを主軸に、ESGの観点からも研究をしていました。そのため、ESGファイナンスについてはアカデミックな観点が中心であったため、働き始める前に改めてESGの全体像を理解し、より実務的な知識を吸収するためにESG関連資格を2023年3月に取得いたしました。

入社して配属されたのが、主に企業のESG債の起債に関する業務に携わる「ESGファイナンス&新商品室」です。ESG債を発行したいと考える法人のお客さまは増えており、ESG債に関するお問い合わせをたくさんいただいています。またデットだけでなく、ESG全般について、例えばESGレーティング(格付け)やESG情報開示に関するお問い合わせについてもいただいております。

ESG債発行の最前線に立って痛感するのは、ESGを巡る世の中の動きの速さです。情報は日々アップデートされ、その動きに付いていくために全世界の関連ニュースをウオッチしていかなければなりません。

最近私が注目した世界の動きとしては、ESGファイナンスの国際的原則を策定するICMA(国際資本市場協会)が、2023年9月、「ブルーボンド」に関するガイダンスを発表したというニュースになります。ブルーボンドとは、グリーンボンドから派生した、海洋環境の保全に関わる事業に充てる資金を調達するためのESG債です。ICMAのガイダンス発表によりブルーボンドのプロジェクトカテゴリーやグリーンボンド原則との整合性が明確になり、今後、発行が増えていくのではないかと注目しているところです。

こうした最新の動向を理解、分析する上で、大学で研究してきたことや資格取得のために勉強したことが役立っています。一方で、お客さまにとって最適なESGファイナンスを考えていくには、お客さまの事業内容や業界動向など、勉強すべきことが多岐に渡ります。大変ですが、世の中の動きに直結し、ファイナンスを通じて新たな価値をお客さまにお届けするという意味で、とてもやりがいのある仕事だと思っています。

今、ESGは、世界の潮流になっています。日本のマーケットを見ても社債の約4分の1が、ICMA(国際資本市場協会)等の原則に則り、外部認証機関によって環境や気候関連のプロジェクト、社会課題解決のために発行された債券に付与される「ESGラベル」を付与されたESG債になっております。さらにそのESG債の発行額は概ね毎月、対前年同月を上回って伸び続けているという状況です。これは、持続可能な社会の実現に貢献していこうとする企業の強い意志の表れであり、時代の要請でもあると思います。

そうしたお客さまからや時代の要請に応え、ESGの取り組みを推進していくことは、当社全体で実行していかなければならないことだと考えています。それが、金融機関としての当社の「本業を通じた」持続可能な社会の実現への貢献だと思うのです。

そして、私たちESGファイナンス&新商品室が、当社のESG推進の先頭に立たなければいけません。その表れの一つとして、社員の皆さんに向けたESGに関する自主的な勉強会を始めています。私も、次世代を担う若手社員の一人として、ESG推進に貢献していきたいと考えています。

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